まじめに感想を [考古学]
読み終わりました、コレ
ブログという媒体は、顔も名前も見えないながら、
一般的には批評・非難の嵐が吹き荒れている場で、
そういったものを見ると、切ない気分になります。
基本的には、そういった個人に対しての批評などを書くつもりで
ブログを書いていませんので、当たり障りなく感想を
「小林達雄」という人は、健在の考古学研究者の中で、人気・知名度ともに全国でも一・二を争う方だと思う。
文章を読む限り、優しく・分かり易い表現をすると思う。
佐原さんが亡くなった後の、日本考古学の広告塔と言っても言い過ぎではない研究者のはず
頭の堅い私が読んだからそう思うのかもしれないが、あまりにも恣意的・感覚的すぎて、読むに堪えなかった・・・
まず、文章の中に時系列も地域的な問題も、全くといっていいほど考慮されていない。
そして、遺跡の名前がほとんど出てこない・・・。こんな考古学の本は読んだことがない。
(大学で考古学の講義を受けた時は、基本的すぎて教わるまでもない問題だが・・・。)
一般の方がこの本を読むと、どういう感想を持つのだろうか?
無批判に内容を受け入れたと想像すると、素直に怖い
さらに、近年の考古学研究の成果が、ほとんど盛り込まれていない・・・
著名になるということは、批判を受けることとも同期するが、批判を批判と思わなくなったら、と自分に当てはめて思うとゾッとする
一般の方々に「考古学は想像の世界(学問)だ」と言われることがよくある。
こういった印象を一般化させたくない。
ただ頭が堅い、と言われておしまいかなそれでもいいや
初めてちょっとまじめに書きました許してくださいませ
ブログという媒体は、顔も名前も見えないながら、
一般的には批評・非難の嵐が吹き荒れている場で、
そういったものを見ると、切ない気分になります。
基本的には、そういった個人に対しての批評などを書くつもりで
ブログを書いていませんので、当たり障りなく感想を
「小林達雄」という人は、健在の考古学研究者の中で、人気・知名度ともに全国でも一・二を争う方だと思う。
文章を読む限り、優しく・分かり易い表現をすると思う。
佐原さんが亡くなった後の、日本考古学の広告塔と言っても言い過ぎではない研究者のはず
頭の堅い私が読んだからそう思うのかもしれないが、あまりにも恣意的・感覚的すぎて、読むに堪えなかった・・・
まず、文章の中に時系列も地域的な問題も、全くといっていいほど考慮されていない。
そして、遺跡の名前がほとんど出てこない・・・。こんな考古学の本は読んだことがない。
(大学で考古学の講義を受けた時は、基本的すぎて教わるまでもない問題だが・・・。)
一般の方がこの本を読むと、どういう感想を持つのだろうか?
無批判に内容を受け入れたと想像すると、素直に怖い
さらに、近年の考古学研究の成果が、ほとんど盛り込まれていない・・・
著名になるということは、批判を受けることとも同期するが、批判を批判と思わなくなったら、と自分に当てはめて思うとゾッとする
一般の方々に「考古学は想像の世界(学問)だ」と言われることがよくある。
こういった印象を一般化させたくない。
ただ頭が堅い、と言われておしまいかなそれでもいいや
初めてちょっとまじめに書きました許してくださいませ
縄文好きの素人としては気になるところです。
読んでみますね。
この方、国学院の方なんですね。
過日、国学院の新しく出来たメディアセンターの展示を見てきました。
(無料です、太っ腹ですね)
旧石器から古墳時代まで、祭祈具中心の展示ですが、
素人目にはとても面白かったです。
石棒の集団(笑)なんて見ると思わず微笑んじゃいますし。
by kotobukimaru (2008-12-18 07:26)
おぉ、もう足を運ばれたんですね!
私は、東京に行く機会がなく、まだ未開拓のとこなんですよ。
年明けたら行きたいですねぇ。
もし機会があれば、母校(M治大学)の博物館にも
行ってみてくださいませ。
by リンタロウ (2008-12-18 23:40)
小林達雄先生の本を読まれた方は、
たくさんいるのでしょう。
この本は、考古学による日本歴史を
勉強するための本ではなく、
縄文時代がどのような時代なのか
紹介することが目的だったのではないでしょうか。
小林先生は日本歴史についてしるための本も書いています。
ぜひごらんになってください。
by 調査員 (2008-12-20 03:07)
調査員さん
コメントありがとうございます。
おっしゃられることは、よく分かります。
>縄文時代がどのような時代なのか紹介することが目的だった
例えそうであれ(拡大解釈をし)、確かなこと・不確かなこと・著者の想像のこと、などの論理構成・根拠を明確にすべきと思います。
新書本という性格から考えて、読者層は様々でしょうから、その点ははっきりしておいた方が良いのではと思い、書きました。
何度も書きますが、分かりやすいのは確かです。でも、分かりやすいだけでは、考古学という分野が誤解されてしまうおそれもあります。
そこも不安になり書きました。
おそらく調査員さんも考古学を勉強された(ている)方だと思います。
この本をただ「縄文時代がどのような時代なのか紹介することが目的だった」という感想だけですんでいるのであれば、「考古学」が一般的に受け入れられているイメージについて、私とは意見が合わないと思います。
わたしも、こういった新書本などの概説書から考古学に入門した人間です。一般の方々はこういったどこの書店にでも並んでいる本を手にとって勉強し始めようとします。もし、最初に手にとった本が、『縄文の思考」であるなら、次に読む本とのギャップに戸惑うことでしょう。
う~ん、頭が固くてすいません。
by リンタロウ (2008-12-21 22:10)
丁寧なコメントありがとうございます。
ところで、リンタロウさんの言うような考えも確かに納得いきます。理屈に沿った概説を行うことの必要が考えられます。
私は、現在資料館で働いているのですが、一般の人たちは考古学による歴史には、それほど関心がありません。
では、どうすることが必要なのか。まず興味を持っていただくことが大切だと考えます。いかがでしょうか。
私がチョッと触れた外国の学生が考古学に関心をもつきっかけには、有名な映画のインディージョーンズだったという話をしたことがあります。
どうでしょうか。
確かに、学術的な本が必要です。
しかし、研究者による物語的な本があることも大切ではないでしょうか。
by 調査員 (2008-12-23 17:54)
調査員さん
コメントたびたびどうもです。
資料館にお勤めとのこと、釈迦に説法のようで恥ずかしい限りです(汗)
ちなみに私も同業者ですし、うちは考古学オンリーの館ですので、
痛み?はよくわかっているつもりです。
論点がずれはじめているようなので、簡潔に回答します。
何を隠そう(これは別に恥ずかしい話ではありませんが)、
私自身、考古学に興味を持ったきっかけは、高校時代にグラハム・ハンコック著『神々の指紋』という本に出会ってからです。
何も知らない高校生にとっては、とても魅力的な本でしたし、これを読んでから、漠然と「考古学」を勉強できる大学に行こうと考え始めました。
ここからが2択です。
①これから本格的に考古学を始めよう!と思う人間。
②このまま、表面的に考古学に触れるだけの人間。
私は結果的に①になりましたが、②の方々はどうなるでしょう?
もちろん②で終わる方々は、それで十分と思っている方々でしょう。
①の方々は、誰が何を教えなくても勝手に(やや語弊がありますが)勉強し、正しい知識を身につけていきます。②の方々は、残念ながら間違った?情報だけを身に付け、世に出回ることになります(事実、大学に入ってからようやく誤りに気づきました)
私は、何か面白いことがきっかけとなって考古学に興味を持って貰えるのにこしたことはないと思っています。世界中の人たちが考古学という分野に興味を持って欲しいとも思っています(こう思ってない人は学芸員をやっちゃいけない)。
でも、この入り口を軟らかくし過ぎることで、間違った方向の教育をしてしまう可能性も高くなると感じています。博物館における、路線のずれた体験学習がその代表例ですが・・・。入り口は大事です!なかなかこの先入観から抜け出すことはできません。
簡潔に、と言いながら長くなりました。
では調査員さん、カバー裏の紹介文を読んでください。
「丹念な実証研究に基づきつつ、つねに新しい地平を切り拓いてきた著者」とありますが、この本が本当に実証的な内容だと思われますか?
調査員さんが言う「研究者による物語的な本があることも大切ではないでしょうか」との表現と矛盾する内容だと思いませんか?
物語は、あくまで物語です。もし、小林達雄さんが物語を書くのであれば、新書のようなものではなく、全く異なる媒体で出すべきです。
もし、これを物語として調査員さんが読んでいるのであれば、おそらく著者の小林達雄さんと調査員さんの間に大きな壁・溝があると思います。
だってこの本は、実証研究に基づいた「縄文考古学の集大成」なんですから。
偉そうにすいません(汗)
by リンタロウ (2008-12-23 23:56)
リンタロウさん
丁寧にコメントありがとうございます。
私は、小林先生の文献を幾つかよまさせていただき
勉強させていただきました。
その上でこの本の感想は、確かに小林先生の研究に基づいた
縄文時代像が描かれていると感じました。いかがでしょうか。
たしかに、研究成果に基づいた本も必要です。
それを作り発表することは求められると思います。
しかし、それに相当する本は数多く刊行されています。
小林達雄著 縄文人の世界 朝日選書
小林達雄編著 最新縄文学の世界 朝日新聞社
網野・大塚・森監修 縄文時代の考古学 学生社
小林・加藤・藤井 縄文文化の研究 雄山閣
などあります。
養老孟司先生の『バカの壁』と同じような本であると
考えれば結構すんなり読めるものだと考えられると思いますが。
by 調査員 (2008-12-24 22:18)
調査員さん
かなり、論点がずれてますので、更に?簡潔に。
>その上でこの本の感想は、確かに小林先生の研究に基づいた
縄文時代像が描かれていると感じました。
これは、読み手の違い・問題ですので、これ以上何も申し上げません。何度も申しますが、私は決して実証的なものではなく、想像の世界の本だと思います(すべてではありませんよ、もちろん)。
関連して、列挙して頂いた本は、一応目を通しておりますが、研究書・概説書など様々です。すでに『縄文の思考』の評価で調査員さんとは意見が違っていますので、様々な本の評価をするにしても意見は合わないでしょう。
>養老孟司先生の『バカの壁』と同じような本であると
考えれば結構すんなり読めるものだと考えられると思いますが。
→私は門外漢なので、養老孟司さん(私は不用意に先生という言葉は使いません)についての発言は避けますが、『バカの壁」のように「すんなり読める」ことが恐いのです。
『バカの壁」についてとやかく言える立場ではないのですが、その評価は様々ですよね。
その道の専門家の間で評価がどうなっているか気になります。
本を読むことは知識を深めることですが、それを評価するのは読者です。
私は『バカの壁』も正しい内容だとは思いませんでした。
ベストセラーになって、どれだけの人があの内容を鵜呑みにしてしまったかと思うと、また恐いです。
それと一緒です。
本から得た知識をどのように吸収・活用するかも読者の自由ですので、これ以上は何も言いませんが、読者の質が向上することも重要なのではないでしょうか?
本という媒体から間違った情報を得て、知識として吸収される。
活字の恐いところでもあります。
ちなみに、私は一応考古学を研究しているつもりですので、基本的に他人の書いた文章は批判的に読むようにしています。
これは性格が悪いとかの問題ではなく、研究者としての基本的な姿勢だと思います。
これをやらずして、研究というものは進展しないのではないでしょうか?
同業者の書いた本をそのまま受け留めるという行為を、私は到底できません(正しい部分は素直に評価します)。
批判的に読まないジャンルは、小説・漫画・絵本くらいでしょうか。
この読書法は、すでに体に染み付いてますので、直せと言われてもできませんので悪しからず(笑)
もし分りやすさを優先させるのであれば、佐原真さんのような書き方のほうが私は好みです。
佐原さんについては長くなったので省略。
話が逸れていますので、軌道修正を(笑)
by リンタロウ (2008-12-25 14:06)
長いコメントありがとうございます。
>まず、文章の中に時系列も地域的な問題も、全くといっていい>ほど考慮されていない。
>そして、遺跡の名前がほとんど出てこない・・・。こんな考古学>の本は読んだことがない。
私は、そのような冊子や本は見たことがありますし、
子どもたちが日本歴史を勉強する上で
有効な資料となるものが数多くあると思います。
子どもたちや一般市民に考古学の屁理屈を並べて説明して
何を理解してくれるでしょうか。
現在では、日本の歴史の教科書から
縄文時代以前が消滅しています。
これは、大変問題です。ではどうするべきか。
日本国民には、まず旧石器時代・縄文時代があったことを
知ってもらうことが必要だと考えませんか。
小林先生の「縄文の思考」はそれを求める本なのでしょう。
>さらに、近年の考古学研究の成果が、
>ほとんど盛り込まれていない・・・
確かにそうかもしれません。
でも、新しい発見、最古、最新、最大を追い求めて
間違いを犯したのは、
考古学者そして埋蔵文化財事業に携わった私たちです。
それを忘れてはいないでしょう。
考古学は単なる学問ではいけないと思います。
子どもたち、市民に理解してもらい、認めてもらわなければ
私たちは単なる物好きに終わります。
by 調査員 (2008-12-28 18:40)
調査員さん、どうも。
>私は、そのような冊子や本は見たことがありますし、
>子どもたちが日本歴史を勉強する上で有効な資料となるものが数多くあると思います。
→誤解がある過剰な表現をしたようですが、私もその手の本は見たことはありますよ。子供向けは子供向けでいい本もあるとは思います。
ただ、新書本のようなものでは見たことがあまりないということです。
>子どもたちや一般市民に考古学の屁理屈を並べて説明して
何を理解してくれるでしょうか。
→考古学の屁理屈?順序だてて説明すれば分かってくれると思いますが・・・。「屁理屈」こそが考古学の醍醐味!!そう思いたいです。ここを知らないで、損をして、間違ったイメージ(怪しい学問だと)を持ってる一般市民も多いです。
考古学の方法を一般市民に「屁理屈」と思われるようでは、説明する側に問題があると思います。屁理屈を分かりやすく説明することも大事かと。
さらに、小学生が新書本って読むんでしょうか?少なくとも、私は読みませんでした。早熟な小学生であれば読むのでしょうが、『縄文の思考』も小学生には難しいでしょう。ルビがふっていないことからも分かります。
教科書問題は、別問題だと思いますが、本の中にそうった意図を示すような記述があったとしたら、見逃してました。
>でも、新しい発見、最古、最新、最大を追い求めて間違いを犯したのは、考古学者そして埋蔵文化財事業に携わった私たちです。
>それを忘れてはいないでしょう。
→私は「新しい発見」を評価しろとは書いてません。近年の「考古学研究」の成果を評価し取り入れて欲しいと書いたのです。
この世界様々な意見があり、小林さんもそれなりに批判を受けています(逐一挙げませんが)。そういった意見を少しでも自分の意見と照らし合わせて書いて欲しいと願って書きました。
「新しい発見」は、考古学の研究を経た上で適切に位置づけられ、評価されるべきです。旧石器捏造の反省をしていないかのように書かれるのは心外です。
ちなみに新しい発見を考古学に求めているのは、圧倒的に一般市民の方です。ここでも「考古学の屁理屈」を分かりやすく説明したほうが良いと思う理由です。これを無くして調査員さんの言う「物語的な」部分のみが強調されるようでは、将来不安です。
>考古学は単なる学問ではいけないと思います。
>子どもたち、市民に理解してもらい、認めてもらわなければ
私たちは単なる物好きに終わります。
→それはそうだと思いますよ。その部分で意見はずれていないはずです。
by リンタロウ (2008-12-29 13:03)